イタリア自動車見聞録2002(3)

 

●イタリアで見るイタリア車のデザイン

 今回も、イタリアで見るイタリア車のデザインの話です。 ここまでイタリア車の数が減少してくると、もはやイタリアの車風景はイタリア車だけではなく、ドイツ車やフランス車のデザインも大いに影響します。 
 ベンツは日本で見るよりは控えめに見えますが、驚くのはどの国に行ってもその風景に溶け込んでいることです。 アウディのデザインをイタリアの石造りの街並みで見ると、昔の建築の中にモダン建築があるような、ある種の調和がありました。 でもイタリア車にはあのようになって欲しくはないものです。 グローバル化が進んでいるフランス車はルノーの最新モデルを除くと、ほとんどドイツ車と一緒に見えます。

 イタリア車ですが、現在は80年代後半から90年代始めのジウジアーロやイデアがデザインした車と新しいモデルが混在した状態になっていますが、次のようなことが言えると思います。
・ジウジアーロやイデアがデザインした車は建築的で街並みととても調和するが、各メーカーの独自色が弱かった。
・最近のモデルは各メーカーの独自色が強くなってきた。 フィアットはプントを除いて普通のデザインに。 ランチアは更にエレガントに。 アルファはスポーティーに。 これは各メーカーの特徴そのままですが、それがデザインにも現れてきたような気がします。

 スティーロは先に書いたようにデザインが魅力的とかいう車ではありません。 Yやリブラは日本で見るよりはるかにエレガントに見えます。 一世代前ですがカッパも地味ながら相変わらず魅力的です。 156はイタリアで見ても抜群の格好良さでした。 147はちょっと判断に苦しみます。 166はアルファの高級車としての存在感を漂わせていました。 現在のモデルの中で、デザインにイタリアらしい魅力を感じるのは、プント、Y、リブラ、156、166というところでしょうか。

 このように、イタリア車の中だけでもデザインの方向性が分かれてきているのに、更にドイツ、フランス、その他もろもろの国の車がまざっていると、その風景というのはかなりごちゃごちゃとしています。 全体として見たときは90年くらいまでの方が統一感があってよかったかもしれません。

 最新のテージスも見ました。 これは高級車としては近年のイタリア車の中では最高だと思いました。 クラシックなイメージと斬新さとが溶け合ったスタイルは、ドイツ車とまったく異なる方向性を打ち出しながら、なおかつ166とも別の路線の高級感を生み出しています。 やはりイタリアンデザインの底力はあなどれません。 イタリアの風景とも絶妙に合っていますが、この大きさでもしカッパぐらいの数に増えるとどういうことになるのか興味津々です。

  

 


●番外編 : ミラノ市内を走るザガートデザインのトラム(ちんちん電車)

         数としては少ないのでめったに見ません。
           今でも走っている大多数のトラムが昔ながらのオレンジ色のちんちん電車なので、ギャップがすごすぎます。
           車輪が見えないので、巨大ないも虫がのそのそ歩いているようです。

  


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